千葉県南房総市農林水産部地域資源再生課に伺い「施設園芸も木質バイオマス暖房機等設置導入補助事業」について、現地施設農園も含め視察させていただきました。
この事業の導入に至る背景としては、平成23年3月に「南房総市バイオマスタウン構想」を策定しました。当時、施設園芸農家の数や面積が減少しており、イノシシなどの生息地域が拡大し、農作物に被害が及んでいたそうです。その他にも燃料費の高騰や施設園芸農家支援、有害害獣対策などの目的で政策の検討を開始し、平成22年5月に林野庁調査検証事業を実施しました。同年新聞で偶然、薪ストーブ「ゴロン太」を見つけ、平成23年に岩手県にある薪ストーブメーカーと協定を結び、市内で無料モニターを募集したところ、130坪のビニールハウスで化石燃料を使わずに一冬過ごせた施設園芸農家や、年間130万円の重油購入していたのが、薪代16万円で済んだ施設園芸農家もあったそうです。
平成24年には改良版の薪ストーブの無料モニターを実施し、平成25年には施設園芸農家向けの市独自補助金制度を開始したそうです。
南房総市とJAが立ち上げた南房総農業支援センターでの薪ヤードの整備と薪の配送システムの構築や、薪造機の導入が行われ、平成28年には環境省の補助金を利用し、木質バイオマス、持続的活用計画の策定に至っています。
令和元年には道の駅2ヶ所に薪ストーブ、薪ボイラーの導入、令和3年「ゼロカーボンシティ宣言」その他、家庭用向けの薪ストーブ補助事業を開始、薪購入の補助金も開始しています。
結果、平成23年度から令和2年度の間、平均重油削減量14.107リットル、CO2削減年間38トンなどの実績を生み出しました。構想から10年で、南房総農業支援センターと森林組合の連携で、薪の配達のほか、施設園芸事業者だけでなく、一般の家庭への普及が進めばさらなる二酸化炭素削減にもつながります。
「ゼロ・カーボンシティ」を目指す富岡市にとっても参考になると思いました。
富岡市議会議員 髙田 仁志 ブログ
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